持論

DVDを製作して1ヶ月、ネット販売を展開しているんだけど、

1月で全製作枚数の5分の1程を売上げた。

1万枚もプレスしたのなら大した売上だけど、そんなに作ってない(笑)

とはいえ、これまで買ってくれた生徒さんや友人、お会いしたことのない方・・・

には感謝です。

シンガポールにもパリにも送ったし、まぁこれからゆっくり広く展開していくとして、

いろいろな質問を受けるのでいくつかお応えしようと思う。

 

作品として絵を描く際に、資料として写真等をどの程度使用しているか?

これは、下地の色が出来た時点で描く景色を決めて、アクリルの金の絵具で具体的な

形を描く際に、自分で絵用に撮った写真をモノトーンに加工して、具体的な形としてのみ

参考にして描いている。

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稀にスケッチを使ったり自分で景色を組み立てたりすることもあるけど

現実にある形、今ある景色を描きとめることで臨場感を、描く時のライブ感(勢いと言っていいか)を

損なわないためにいわゆる下書きはしないで直接絵具で描く。

間違えないか?

一番神経を使うと言ってもいい所だけど、いちいちミスっていたら仕事にならない(笑)

大げさに言うと引こうと思った線は1mmも狂わない。デカい絵で1mm狂うのが1か所なら

大したことにはならないけど、10か所も間違ってたらそれこそ絵にならない。

おれのやり方は、光の当たっている部分だけを描くので、結果的に浮かび上がる形(人とか自転車とか樹々とか)

以外を描いて物や景色を見せるという手法をとっている。

苦悶の末10年前に今の技法がひらめき、そこには日本画の影響がたぶんに在って、

まあ油絵科出身としてはそこら辺はシロートなもんで日本画描きの友人にいろいろ聞いて

教えてもらった訳だけど、材料や描き方よりも、何を良しとしてきたか、どんな目的で継がれてきたか

の方が興味深く、偉人達の残した絵や文献などから伝わる 絵に対する構え の影響は大きい。

 

作品を作る側には、何よりも対象を観る目 があって、

誰にでも見える(感じられる)ものではない事を、特別な思い入れとそれを具現化するための

技術をもって広く伝えるという使命がある。

時々、アートはテクじゃないっすよね!みたいなことを聞くけど、

やっていること自体を楽しむならそれでもいいかもね、と思う。

自分が酔うんじゃなくて、人を酔わせないと。

ここまでは普通の話。

怖いな、と思うのは、そうやって生み出したものから滲み出るセンス。

受けた影響とか身につけた技術とか、その都度選んできたもの、物の考え方から

育ちまで、生きてきた時間と環境が滲んでくるってこと。

これはもう、好む好まざるに関わらず、逃れようがない所もあるので

ある時期に腹を決めるわけだけど、その覚悟の程も滲み出る。

で、自分のはどうなのかっていうと、

もうなるべくしてなっているし、描くべくして描いているので、今のところ

仕方がないとも思うし、これから先の生き方で作るものも必然的に変わってくるでしょう。

そういうことを、同じ覚悟で観てくれる、そして手にしてくれる人との対峙があって

アーティストというのが成り立つわけで、そういう意味では制作しているときの集中力

は全てそこにつぎ込まれている。

みたいなことを酒を飲みながら考えたりしている。

2014-01-25 20.17.49

 

おしまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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