賭けをするなら俺が相手だ
お前が勝とうが負けようが
俺の知ったことじゃぁない
俺の欲しいものはただ一つ
切り札のスペードのエース
こんな歌声が爆音と世界一のダミ声で聞こえてくる中、
イケる!としょーもねぇ!を繰り返し吹き荒れる嵐は、
最高の推進力で新しい絵の誕生の手助けをしてくれる。
これまでに仕上げた新たな5点の絵の画像を画廊に送り、
これまでのイメージの絵、少し違う感じの表現をした絵、
どちらが個展開催を知らせる為のイメージ画像に合うか?
わかりやすい と イケてる の境は常に混在していて、
どっちを選ぶかはいつでも俺の絵描きの信念を試される。
モネが40歳を過ぎてから住み始めたジヴェルニー。
言わずと知れた睡蓮の池を作り、名作を描いた場所。
今回2度目となった訪問はこれまでの印象を覆した。
印象派もモネの絵もどちらかというと好きな絵だが、
彼の地は絵描きにとっては、と言うか俺にとっては
平穏すぎてこんな所にいたら脳みそが溶けちゃうぞ!
花が咲き乱れ、鳥の声と燦々と降り注ぐ日差しの下
で出来上がる絵と言ったら、印象派の絵以外にない。
もしも彼らと同時代に生き、同年代だったとしたら、
しょーもねぇ!なんて喧嘩になっていたに違いない。
そんな事を思う遠い地に来てまで、イケてるかも!?
なんて思うのは限りなくおめでたい能天気野郎だが、
今夜はそんな気分を酒と共に少しだけ味わっている。