数日前、 狂気の沙汰 としか言いようのない夢をみた。
間違いなくいま、現実に一番起こって欲しくない事の一つで
あろう内容で思い出すだけで錯乱しそうになるような。
絵を描いている時には、特に大きな絵であればあるほど、
頭の中には無数の事柄が駆け巡り、
それは例えばその絵に込めたテーマの延長であったりする
のだけれど、無意識に壮大な世界観の中へ引き込まれていく。
その世界がどんどん突き進むと、それはもう普通ではとても
考えられない所まで行き着き、自分の内に芽生える狂気、
芽生えるというか狂気は常に内包されていて、日常のなかで
幾つもの事柄によってブレーキがかけられているんだけれども、
簡単に言えば 死と隣り合わせの狂気 を持ちながら描いている。
普段顔を合わせる人たちは例え身内であっても
少しづつ違ったルールのもとに日々を過ごしていて、
今日会った金融機関の人も買い物をした店の人も、近所で工事をしている人も友人も。
ほんの小さな町の各家の中ででもそうした小さなルールがあって、
それが外へ出て、多くの人達とのすり合わせがあって、会社レベルであったり
自治体レベルであったり、しまいにはそれが世界を作っている。
要するに、世界には到底思い至らない事や理由のもとに生きている人たちがいて、
もしかしたら、いや間違いなく我々もその内の一人で、通じるのは言葉ではなく
感覚だったり損得だったりするわけで、
それでも、小さな小さな秩序だったりカオスだったりが混在して一つの
形になってしまっている、というのが世界なわけで
従ってこれはそういう絵なんだ。
仕上がるまで、しばらく狂気とは隣り合わせ。