8月の終わり頃から1カ月、パリの南の端っこのモンルージュというところ
で制作していました。
今回で3年振り5回目のパリ滞在はなんとなく慣れてはいたけれど、
100%制作に向かう日々というのは中々大変ではありました。
少しづつ整理して書こうと思いますが、1ヶ月前はこんな状態からの始まりでした。
『これは蛾ではないんですよね?』
昔々、蝶を描いているところへ同じような
質問を視察に訪れていたお偉方から喰らい、
即座に『ガチョウです』と答え、
『馬と鹿の区別もつかないのを馬鹿というらしいですよ』
と畳み掛け、たいそう怒りを買ったという人物を
知っている。
質問の真意を測りかねるが、
蛾じゃいけねえって法律でもあるのかい?
などと睨んでもいいのだが、
蝶でも蛾でもどちらでも好きな様に見てください。
私は蝶のつもりですが、と答えることにしている。
おれの絵は、見る人の心を映すものだからね。
一人の男が、
長年の友の死を悼み、
その息子に話す数少ない言葉は、
この酒と共に胸の奥底に届いた。
東京や岡山での展示が続き、
今春から新たに表現の幅を増やすべく絵のスタイルを
変えたのだが、
賛否両論聞こえてくる中で、
概ね受け入れられている様子を目の当たり
にして、その伝わり方が良い。
画像は岡山で展示、売約になったものの一部。
小難しいテーマはあるにはあるが、
見る人の想像の世界を広げて好きに見てくれればいいと思う。