Come again

 

遥か後ろに飛んで行ったパリの記憶が返ってきた。

一昨日、愚痴っぽいブログを書き(笑)今日も朝からキャンバスに向かっていたらパリの画廊からメールがきて、
パリで描いた4点の絵の内の一番でかい気に入りの絵が嫁入りした(祝)

なんでも南仏にシャトーを持っている(!)という方のところにいくらしく、あーいつか招待されちゃったりするんじゃねぇかな~・・・(そんなうまい話は無いんでしょうねぇ)
パリ展にだした絵の内、案内状に使った絵を含めて3点は来月頭からカンヌのギャラリーへ丁稚奉公へ行くことになったらしく・・・
とにかく、なんだか遠いところでトレビアンな風が吹いている。

どれから順番に手をつけていいのか悩みながら描いているけれど、
褒められると伸びるタイプなもんで、調子よく疲れも吹っ飛び俄然気合いが入ったりしちゃうのだ。
今日はこの夏の台北でのアートフェア用の絵を2点仕上げた。

画像はパリで描いた
「眠りの場所」130cm x 130cm mixedmedia on canvas 2011

熱気

 

待ち兼ねたゼ!夏だ!海だ!リゾートだ!

眩しい波と、ビーチへ出かけていって泳ぐとか目の保養をするとか、
喧騒から離れ、涼しげな高原で読書なんかしてゆっくり過ごすとか、
浴衣を着て(持っていないけれど)花火を見に行ったりなんかして、
朝から海で釣りをして、釣れた魚を肴に旨い酒を飲むとかねぇ・・・

そんな妄想を抱きながら描いて、描いて、描いて・・・飲んで・・・
そんな調子で過ぎ去っちゃうんでしょうねぇ、今年の夏は。

昨日は友人の店の執念・・・周年フェスタで大暴走(笑)
今日は朝から晩まで授業。
あすからまた全開で制作。

メリハリはあるね(笑)

満月

 

いつの間にか梅雨は明け、真夏モード全開。
未だ日中はクーラーをつけずに自然の風とプロペラの風で制作している。
この夏、おれの身体は強い。

100号を筆頭に50号、30号、10号・・・と7、8点を同時進行で描いている。
このペースで間に合うのかどうかは不明・・・。

今のシルエットの手法になった2003年6月からずっと、
目に見えないものを捕らえようとしてきた。

風とか匂いとか温度とか。

まだまだやることはあるけれど、
最近、ちょっと近くなった気がする。

5年以降10年以内に、
手で触れられるものが描けるようになりたい
と思い、その準備をしている。

満月を見上げながら
遠くに想いを馳せる。

-Gibson-

 

5月の初めころ、新美術新聞という情報紙に
「わたしの宝物」と言うタイトルで文を書いた。

宝物!?バイクかブーツか、帽子とかリングシューズも・・・なかなか悩ましい。
友人たちや絵の道具はもちろん、一番好きな絵描きは、と考えればすぐに出てくる。
生活の中で8割くらいは絵に関わることをしたり考えたりしている様な気がするけれど、
それ以外できっと一番多いのがギターを弾いている時間かもしれない。
何せ18歳の夏まではロックギタリストになるのが夢だったのだから。

14歳で初めて手にしてから幾本もの安ギターを弾き繋ぎ、受験生だった19歳の頃、数か月分のアルバイト代をつぎ込み、憧れていたギタリストと同じモデルを買った時から20年弾いているGibson -Les Paul- standard。
ピックアップはアルニコⅡを搭載。
構える高さからピッキングスタイル、ヴィブラートのタイミングなどなど、研究しては練習する日々。
高校生の頃は1日8時間弾いている日もあった。

基本を元にしながらもなるべくシンプルに、格好良く弾きたい。
大音量で弾いたときの身体の中がすべて音になってしまうような感覚はなんとも言えず高揚する。
しかし今思えば、Gibson-Les Paul-を手にした時に憧れは憧れのまま満たされた様に思う。
大声で叫ばなければ生きて行けないほど世の中に不満があったわけでもなく、黙って俺のプレイを聴け!と言えるほど弾けるわけでもなく、自己満足で楽しいのだからまぁ才能はない。

音楽でも美術でも、下手くそじゃいけないけれど、行きつく所、余分なテクニックよりも余計な飾りよりも最後に欲しいのはオリジナル。
憧れのギタリストモデルを弾いたところで真似以下にしかならないけれど、近づこうと必死になって追いかけ、その先にオリジナルを手に入れられるかどうかはどの世界でも同じく、また悩ましいところで。

そういう様々な事が巡り巡って「絵を描くこと」へと繋がって行く。
時々、「あなたの絵からはクラシックが聞こえてくる」と言われるけれど、実はロックが流れているんだ。

今日もロックをかけて、描きすすめたぜ。

快調怪調

 

あれだけ楽しみに、そして緊張感をもって臨んだパリの記憶が遠く後方に吹っ飛んでいくくらいのスピードで描き進んでいる。

絵描きスタジオでの制作スペースは3か所。
大作用スペースで100号を描きながら、和紙貼りキャンバスに下色を施し、別の場所で準大作を描きつつその後ろで小品を描く。

自己設定目標はあと2ヶ月半で40点。
制作に使える時間はその半分。
そのために去年から準備をしてきたけれど出来るんだろうか・・・
昨年までの制作ペースだとちょっと厳しいところだけれど、
たぶん出来る。
身体から出てくる力がそう言っている気がする。

パリでもやっていたロードワークと心の充電が効いてきて、
身体と気持ちは絶好調なんだ。

写真は3つあるパレットのうちの一つ。
今までは紙パレットを使っていたんだけれど、アクリル絵具を使う時に混色を一切しないという独自の(たぶん)手法で描くことに気付いた時からパレットを使い始めた。
日本画の人は混色出来ないからしないはずだけれど、おれはもともと混色してある絵具も水で分解して使う技があるのでオリジナルのはず。
油絵の個展技法からも日本画の技法からも影響をうけているから絵具の発色&強度は間違いない。

後は描くだけです。



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