様候

田中顕次郎 作品展 様候-ようそろ-

dscf8159

を観た。http://www.galleryk.info/exhibition/2016/20160915.html

dscf8165 dscf8162

dscf8171 dscf8173

 

dscf8175

 

彼との出会いはもう17年か18年も前になる。

同じ職場、絵画教室で受験生を教えたり一般クラスを教えたり。

年もほぼ同い年。

大学時代も同じキャンパスに彼は日本画科、おれは油画科でいた

はずなのだが、殆ど会った記憶がない。

 

ここで彼との細かい話しは割愛するけれど、

モノ創りとしての彼を知った上で個人的な期待度は満点で

観に行った展示は、ナカナカ良かった。

ナカナカってどのくらいかっていうと、

1点購入するくらい。

 

田中顕次郎は前の記事の塩田千春と比較すると

世間の評価、知名度としては天と地、雲泥の差(スマン!)

ではあるけれど、

個人的には同レヴェルのアイデンティティ、知識、テクニックを持った

アーティストの一人だと思っている。

 

モノ創りとして、絵描きとして、なにが大事か。

出会った頃はそんなことをネタに激論を交わし、

割と温和な彼が眉間にしわを寄せ、舌打ちしながら

お前が言うなら一理あるか・・・

というくらい意見をぶつけ合ったのはいい想い出だけれども、

実は今でも 絵を教わるなら 彼に付きたい

と思っている。

 

彼との話しは語ればキリがないけれど、

良いもの手に入れた。

 

 

 

 

 

 

 

鍵のかかった部屋

塩田千春 鍵のかかった部屋

1e2b1f161e26c39b23826ba0812064e8

を観た。

 20160914_130501 20160914_130410

20160914_130558

 

2001年の横浜トリエンナーレで、

吊るされた

泥にまみれた巨大なドレスがシャワーで洗い流されてゆく

という作品を観たのが彼女の作品との最初の出会いだった。

 

プロフィールを見ればほぼ同い年。

ベルリンに住んで20年とのこと、

初めて作品と出会った当時、おれは絵画教室と居酒屋の調理場で

料理を作るアルバイトをしながらなんとか絵を描き続けていた。

いまだ叶えられない、美術館での大きな企画に出品し、

昨年にはヴェネツィア・ビエンナーレでの展示も行ったその活躍ぶり

はいささか眩しく、そしてその作品のクオリティ、スケール、コンセプト

などは素晴らしく、対抗心よりは尊敬の念すら持つアーティストとして

今も気持ちのどこかに引っかかる人であった。

 

展示内容はこの場では割愛するけれど、

とにかく自分でも珍しいな、と思うくらいの期待度で拝観した結果、

素晴らしかった。

ひと部屋に制作されたインスタレーションを堪能した後、

仕立てのいいカタログを購入し、彼女のギャラリートークを聴き、

更にはおれ的にはありえないというほどの珍しさでサイン会に

先頭で並び(結果としてそうなっただけだが)

持参したシルバーのペンを差し出しカタログの真っ赤な見開きに

サインをしてもらったのだった。

 

カタログに寄せられたご自身のお話から、

アーティストであるがゆえの苦悩や壁を感じはしたものの、

それはおれの信じる本物のアーティスト然としたもので、

そこすらも勝手に激しく共感したのだった。

 

今後、アーティストと一ファンとして以外、なんの接点もないかもしれないけれど、

多くの人が共感、感化されるように、心のどこかにいつもある

そんなアーティストになる様な気がする。

 

いいもの観た。

 

 

 

 

隣り合わせの狂気

数日前、 狂気の沙汰 としか言いようのない夢をみた。

間違いなくいま、現実に一番起こって欲しくない事の一つで

あろう内容で思い出すだけで錯乱しそうになるような。

 

絵を描いている時には、特に大きな絵であればあるほど、

頭の中には無数の事柄が駆け巡り、

それは例えばその絵に込めたテーマの延長であったりする

のだけれど、無意識に壮大な世界観の中へ引き込まれていく。

 

その世界がどんどん突き進むと、それはもう普通ではとても

考えられない所まで行き着き、自分の内に芽生える狂気、

芽生えるというか狂気は常に内包されていて、日常のなかで

幾つもの事柄によってブレーキがかけられているんだけれども、

簡単に言えば 死と隣り合わせの狂気 を持ちながら描いている。

普段顔を合わせる人たちは例え身内であっても

少しづつ違ったルールのもとに日々を過ごしていて、

今日会った金融機関の人も買い物をした店の人も、近所で工事をしている人も友人も。

ほんの小さな町の各家の中ででもそうした小さなルールがあって、

それが外へ出て、多くの人達とのすり合わせがあって、会社レベルであったり

自治体レベルであったり、しまいにはそれが世界を作っている。

要するに、世界には到底思い至らない事や理由のもとに生きている人たちがいて、

もしかしたら、いや間違いなく我々もその内の一人で、通じるのは言葉ではなく

感覚だったり損得だったりするわけで、

それでも、小さな小さな秩序だったりカオスだったりが混在して一つの

形になってしまっている、というのが世界なわけで

従ってこれはそういう絵なんだ。

 

仕上がるまで、しばらく狂気とは隣り合わせ。

 

 

さいか屋ツアー

9月7日(水)~13(火)

さいか屋横須賀店で開催の 日動画廊洋画フェスティバル

に参加出品します。

続いて

9月14日(水)~20(火)

さいか屋藤沢店で開催の 日動画廊洋画フェスティバル

に参加出品します。

お近くの方は足を運んでいただけると幸いです。

20160906_103434-1-1

20160906_103717-1-120160906_102949-1

 

 



archives