パリは短い秋の色と風に彩られている様子を複数の友人から
教えてもらい、その気配を少しだけ含んだ(と思えばロマンティック)
ウィスキーの箱を受け取り小さなアトリエに並べてある。
先日、若い絵描きさんがパリに行った土産にと1本持って遊びに来てくれ、
嬉しいのでその場で 一緒に開けよう! と小さなグラスに氷を一つ。
蜂蜜のような(かどうかは知らないが)素晴らしく甘い香りと滑らかな口当たり!
喉に滑り込む熱と言ったら中々のパンチ、ウィスキーだから(?)43度位だろう
と思っていたら64%ちょっと…と書いてある(笑)
こりゃたくさん飲んだら寝ちゃうな、ってことで昼間だったものだから
ちょっとにしておいたがまぁ美味いこと。
そして若い絵描きさんと色々な話をした中で
絵を続けてきた経緯の話をして思い出したことがあった。
大学院を出た後も10年くらいはお金にならなかったしコンテストに出しても
落選を繰り返していた最中、
「バラと富士山描けば売れるぞ」
「描きたい絵は個展で描けばいいんだ」
「カッコつけてないでバラと富士山描けばいいんだ」
と仰る芸大の先生がおられ、
そんなことするくらいならレストランで料理のバイトしてる方が遥かに楽しいぜ
と思い絵画教室のバイトと掛け持ちで料理をしながら自分の絵を描き続けていた。
高級な店じゃなかったけど客に料理を褒められたり、料理長に
本気で目指すなら俺が教えてやる と言ってもらったりする位は真面目にやったし
当時からの教室は未だに続けている。
選ぶ道は人それぞれ、どの道が正解だったかはそいつ自身にかかっている。
そうやって積み上げたものが絵の内側に含まれると思っている。