構え

 

友人は言う

描くとき 道具よりも自分の身分が低くあること

日本画は絵の具から紙から筆から すべてが高価であるから
まぁ自然にそうなる(笑)・・・と

理由はどうあれ その姿勢を大切に思う謙虚な構えに憧れ 尊敬する

自分もそうでありたい と願う・・・
けれど気づけば
流れているものには逆らおうとする
性格ではなく 性質
強気に出てはこっそり反省し また逆らって の繰り返し

鮎とかジョウビタキみたいに勝ち気で生意気(笑)

絵描き のち・・・

 

絵描き のち センセイ 時々 大工

朝起きて絵を描き
絵画教室または受験生のセンセイとして教えにでて
夜まで大量のキャンバスを作って・・・
という毎日
これ以外の時間は寝ているか酔っ払っているか(笑)

絵を描いている時は機嫌が悪い方がいい

平穏無事よりも 心に少しの傾斜や歪みがある時に見て
ぎりぎりのところでバランスが取れる ような世界を目指しているから

大音量でHEVY METALを聞きながら 世の中の何かに腹を立て だったら自分の手で作り上げてやる という限りなく天上天下唯我独尊の道
言い換えれば極限の独りよがり
極端に言うと 満たされることに常に危機感 がある感じ

そんな時間が1日10時間も続くと不健康なので
時々外に出て話をしたり 黙々と作業をするのも悪くないな と思う

Far away

 

今年の初め アートフェアが終わったら
なにをしようか とか どこへ行きたい とか
いろいろなことを思っていたはず

そのほとんどはすみっこへ追いやられ・・・今年冬まではすでにあきらめた

100号からサムホールまで50本以上の木枠を買い新しい絵を描きながら日々格闘

組み立て 削り キャンバス張り 和紙貼り込み
の4工程を経て
下色10~20層をして初めて 絵になる 空気ができてくるので描き始めるまではツナギ姿にベルト タッカーやらプライヤーやらサンダーやらをぶら下げ
電動トリマーを使用時にはゴーグルと防塵マスクといういでたち

そうしてできた ベース を眺めては 次に描く絵を思い浮かべ
遥か遠くへ一人旅

大事な時に忘れ物をしたりするのです

負うもの

 

大きな目標へ向けて・・・
しかし アドレナリンが出過ぎるのも考えもので
描き始めてから 無茶な挑戦 だということに気付き・・・
だけれど 始めたならば 終わりまで と思っていたい
出来なかったら・・・という隙は必死に埋めて

美術は 美しく 綺麗 なものだと思っていた

世界の外側に居ただけなのかもしれない

醜さ 悲しみ を知ることが 力 になる
虚栄を決して見せることなく
そこで見える世界は 真に美しい
深く 深く ・・・

From the dark side

 

2003年 6月 ある日1枚の絵が生まれた
―NEWYORK 5th Ave―
その数年前 一人旅に出て1日何時間も歩きまわって美術館やギャラリーをめぐり
不安と焦りにまみれた心を見透かすように 冷たく凍った空気と共に背中を突き刺す朝日を振り返ってみた真冬のニューヨーク

自己の内面へ突き進みすべてを飲み込むダークサイドの1歩手前で後ろを振り返った時に見えた外界の光

学生を終えてから10年
目指した道の延長にまだ立っている
その間約500点の絵を描きその8割は日の目を見ずに倉庫に眠るそれらと共に

半年後 明るさと笑みの底にあるダークサイドの 重さ と 深み を披露する

残るか 消えるか

ROAD TO NOWHERE

 

昨日アートフェア東京が無事終わりました
会場に足を運んで下さった皆様 ありがとうございました
多くの近い友人 久しぶりの友人たち 生徒さんたちや 初めての方や・・・たくさんの人に見てもらい 感想や意見を聞き・・・
いろいろと心配もしていたけれど ふり返れば大盛況

ホッとした(笑)

会期中はあまり進まなかったけれど
もう次の絵を描いていて
新しい構成や試み ものすごい勢いで描かなければならない状況に気合を入れ直し
道は続くのでした

次が描けてよかった
毎回そう思う

Deep story

 

しばらくは小さな絵を描いていたけれど 次の絵は1mサイズ
最終的にはちょっと複雑な構成と 見たときに主観と客観をいったりきたりするようなイメージ・・・
を持ちつつ 描き始めは静かで地味な立ち上がり

大事なのは見えているイメージを急いで作ってしまわないこと
色もスピードも対極にあるところから始まって 少しずつ じわじわと滲み見えてくるように

おとなしい画面で始まるけれど 最終的に見ているところは
表面の奥にたくさんのイメージを内包するという深さを目指して

今日はアートフェアのオープニングプレビュー
もう少ししたら向かいます



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