ぺインターズ ハイ

 

描き続けていると 腕は絶妙なコントロールが利き
頭の中は直接的にそれとは無関係と思えることが次々にめぐり
最終的に現実のかたち(絵)となって返ってくる

かつて 自分のイメージ以上のスピードで動き
身体の内側の音や遠くであるはずの人の声、息遣いが
耳元で聞こえる(聞こうとしている音だけ)という極度の緊張と集中力を体感したことがある

きっとどの世界にも のりうつるやつ がいる

ほんの一瞬だけ

流れ


このところ4月のアートフェア出品作の構成を考えながら制作

個人の持っている幅をどこまで 広げるか 絞るか・・・
新しい展開を 誤解を恐れずに勇気を持って出すか 恰好がつくまで温存するか・・・

これまでの 特に昨年の個展からの変化に対して
いろいろな観点から少しずつ反応が聞こえてきたりもしており
創るものに第三者が関わる機会が増えてくるというのはこういうことなのだ と考えたりもする

制作というのは これまでのバックグラウンドはもとより
前後5年くらいのことは自然に考えてしているので
良くも悪くも細かい反応には流されずにしないといけない(意外と難しい…)
とても大きな絵の 全体を見ながら(想像しながら)指先くらいの
小さな部分に手間と思い入れを集中するように

流れは 乗るのではなくって 作らないと
大きく出すぎたか
せめてコントロールくらいはしたい

はるかぜのはなし


しばらく決まらなかった小品と大作のタイトルを考え・・・
最新の100号は はるかぜのはなし

柔らかな風が流れ
時がゆっくりと過ぎるように感じる小春日
陽射しの裏の黒い影に潜む冷たい空気の向こう
水面も木々の隙間もにわかに瞬き
次の春に吹く風を思い浮かべる

いろいろなところに隠し味をひそめ(笑)
そんな絵を描いてみた
4月の東京アートフェアに出品予定

隠し味


ストックされているキャンバスに加え
この2日間でさらにF20x3 F30x2 M30x1を張り
和紙を貼り・・・
大小混ぜて全部で20枚程のキャンバスストック完成♪

あと2ケ月の間にほとんどが絵になる予定

描く前には 本当にいろいろなことを考えるけれど
描きだしてしまえば殆どのことを隅に追いやって
思い入れを1点に集中させようとキャンバスに向かう

大事にしていることはいくつかあるけれど
いま思うことは
誰の目にも止まらないかもしれないひと手間を惜しまないこと

それはものをつくる 誇り みたいなものかもしれない

塵も積もれば という話ではないけれど・・・
いつか実を結ぶ
はず

過ぎ去る時代と新時代

アメリカの画家 アンドリュー ワイエスが亡くなった
1907年ペンシルバニア州に生れ イラストレーターの父を持ち
後にメーン州に移り北アメリカの大地と人々をこよなく愛し描き続けた孤高の絵描き

10代のころから画集を読みふけり実際に彼の展覧会を観た時には
テクニックよりもその思い入れを深く感じ 感動したと同時にこんな気持ちで絵に向かう人についていきたい・・・とリアルな尊敬と憧れに包まれた

絵のデータ保存や取材をする時にスケッチと共に欠かせないデジタルカメラ
愛用していた3代目を酷使したせいか最近ずっと不具合が生じ
新しいものを購入
新たな右腕になってくれることでしょう
頼むよR10クン

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