Professionalになるまでの闘いよりも、
なってからの方が何10倍も厳しい。
どれだけ観る人の心に残せるか、というパフォーマンス。
最先端だとかそうでないとか、そんなこと
一切関係ない。
相手にするのは自分も知らないくらい広い 世界中 だから。
いいものは、ジャンルもキャリアも隔てなく、
イイったらイイ!
裏を返せば歴史も時代も生活もすべてひっくるめて、
完全に実力主義、生き残りの闘いなんだ。
そこに必要なのは 鍛錬に裏付けられた力 そのタイミングで出会う運 人生をかけて作ったものを人生をかけて観てくれる人脈 …なんてのは誰だって知っているモンね。
。
生涯ブレることなく追い求めるだけの価値のあるものを見出すか、出会うか、信じるか。
なーんて考えたりしながら過ごすここ数年。
今から20年前、ただ目の前の衝動に向かって闇雲に走っていた頃に
出会った画集、映画(マルメロの陽光)の中で見た、アントニオ・ロペス・ガルシアの展示を観てきた。
日本では数点出品のグループ展を除いてはほとんど展示されることがなく、意外にも日本での個展は初らしい。
観たことのある数点も含め、相変わらず心の交流を図ろうと作品に見入った。
現代を代表する写実の巨匠と称され、昔はその表面に憧れまくったし、同じように憧れて、終いにはスペインまで会いに行ったり師事したり、という絵描きをたくさん知っている。
20年振りに目の前に立って観た絵は、正直それ程驚くようなことはなかった。
むしろ、たったこれだけのことを描くのになぜ4年も5年もかかるのか・・・という方が不思議だった。
そして、だからこそ現時点では追いつけそうにないことを感じた。
それは、自分の表現したいものよりも描く対象の方に重きがあって、更にはそのものと対峙する時間、空間に在ることこそが全てである、というような姿勢にあって、淡々と、しかし熱く語る本人の映像はやっぱり巨匠と呼ばれる域の遠い存在に見えた。
インタヴューのなかで、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロの名を出しながら、歴史を超えて継がれてきた魂を感じ、おれも絵描きで良かったナ…と思ったり、こりゃ果てしねーな…と思ったりしながら今日も制作を続け、また明日もテンションあげて行くゾ!と思ったりしている。