今 描いている絵の中は
全てが彩られ 輝いている
もしも ほんの少しだけ そこに哀愁が見えるなら
それは 全てが色褪せて見える世界を含んでいるから かもしれない
ほとんどの色彩が失われてしまっても
そこに 一点の光を見つけて生きて行ける
そんな絵が描けるようになりたい
好きな絵描きはだれか と聞かれたら
すぐに答えられる
アンドリュー・ワイエスの展覧会を観てきた
いつものように 心静かに絵の前に立ち
筆跡をたどるようにその世界を感じてきた
人によっては緻密な筆跡のテンペラ画のイメージが強いかもしれないけれど
彼の水彩画は深い・・・
筆運びだとか紙の種類だとか
そういうのも興味深いけれど
鉛筆や筆の毛先が紙に 触れるか触れないか くらいのタッチの隣に
なぜ?と思えるほどの強い筆圧が見えたりする
微細な描写と同時に伸びやかな線があって
そんな風に言葉を聞いているような気持ちになる絵を描く人はそう多くはない
今回の展覧会はオルソン家にまつわる構成になっていて
ワイエス自身の想い入れはずいぶんと強かったのだろうと想像できるけれど
あまりにも多感な心の動きの痕跡が見えて
表現することの強さと難しさを抱えて帰ってきた
絵に限った事ではないけれど
例えば穏やかで静かな印象の絵を描いていても
想い が余ってしまうこともある
良い方にも
悪い方にも・・・
感情的に絵具を置くことはほとんどなくても
そういう想い入れが 前面にではなく 内側に滲んでいるような
自分の描く絵がそんな風にみえるといい
今日も
12月とは思えないくらいの陽気で
寒さを身構えていた身体が戸惑う
絵を描くということを考えれば 師走が区切りではないのだけれど
なんとなく1年を振り返ったりしそうになる
2、3カ月先からほぼ1年先まで
決まっている展示の準備をしているけれど
本当に描き切れるのか!?とか
何を描くのだろう?とか・・・
考えてもいっこうに実感がわいてこない
一心不乱に というのではなく 五里霧中といった感じかな
そんな時期があってもいいのかもしれないけれど
目に見えない感情や感性にもまれているのかもしれない
福岡でのグループ展が終わり
九州ではことし最後の展示だったので挨拶の電話をし
東京でことし最後になるミニヨン展が今日から始まり
先日は画廊で雑誌のインタビューを受けて話をしたり
来年大阪で予定している個展の絵を仕上げて送ったり
これから描く絵の向かう先とそのイメージを作ったり
時が経つのが
とても速く思えるような
とてもゆっくりなような
絵に向かう時にはいつも
うまく言葉にすることができない感情を幾つも重ねて織るように描いている
自分の目の中にだけ瞬いている
キラキラとしたもの は
ほんとうは手の届かないくらい
遠くにあるものなのかもしれない
大切なものは
どこにあっても温かく
その輝きは失われないでいてほしい
そんなものとは無縁に見える街の光に照らし出される
灰色の雲の遥か向こうに浮かぶオリオン座みたいだな
とかって思う
来月 12月3日から26日まで(2日からと言ってしまった皆さんごめんなさい!)銀座日動画廊でミニヨン展が開かれ
4号以下の小品がズラズラ並ぶ中
2点を出品します
今回は珍しく静物画も
どれくらい珍しいかというと・・・
2003年に今の感じの絵になってから作品として出すのは初というくらい・・・
描きたくなったから描いたのだけれど反応はかなり心配・・・
でも実はそうやって描いたけれど誰にも披露していない絵もあったりもする
将来プレミアつくかな(笑)
本物を観てもらえるのが嬉しいけれど
今回はDMの代わりに画像で披露
「ひとさらのあまみ」
F3 mixedmedia on canvas 2010 他に4号を出品