今年の初めころ、福岡県糸島市を訪れた。
そこで出会った景色をずっと描こうと思っていて、
今週やっと水彩画にしました。大きさはF4サイズ。
その日は冬の終わりにしては気候が良く、
ギャラリーの方の運転で海から離れ福岡市内へ向けて車を走らせていた時
窓の外に牧場が見えた。
少し通り過ぎたけれど戻ってもらいしばらく写真を撮る。
その反対側に 乗馬クラブ と看板が出ていて、また車で坂道を登って行くと
柵に囲まれた馬場があり、そのさらに上に厩舎が建っていた。
厩舎には手入れをしてもらっている馬や小屋で休んでいる馬たちがいて、
厩舎の方は急な訪問も快く受け入れてくれた。
馬に人参をあげたり、鼻先を撫でたり、澄んだ目やたてがみ、毛並みを
興味深く眺めた。
その厩舎に飼われている猫がひょこっと顔を出し、馬の世話をする
女性の後をついて行く。
この瞬間、頭の中に絵が浮かんだ。
掃除の行き届いた厩舎の、馬たちが休んでいる先に
外光が差し込み、飼い主の姿を目で追う白猫。
急いで一眼レフを構えたが、もちろんこの絵のようには写らない。
奥がこれだけ暗ければ、猫の身体の陰ももっと濃く写ってしまう。
絵にするときに写真が役に立つのはその 場面 と 形 だけなのだ。
あとは 頭の中に浮かんだ絵 をどう見せるかを慎重に作り出して
行かなければいけない。
余り描き込まず、1時間半ほどで仕上げた。
良い出来だと思う。
昨日までは絵の上に絵を重ねて描くようなカオスな状態も

本日無事に搬入し

何ヶ月か振りに白い壁が見えました。
10月20〜のART TAIPEI2017に向けての制作でS1001点、S203点を出品します。
アート台北リンク↓
http://art-taipei.com/2017/en/
そして明日からは(もう取り掛かっていますが)
今月!9月20日からの近鉄和歌山での個展&ホテル催事の出品に向けて
最後の仕上げをします。
そのあともまだまだ続きます!
数年ぶりに訪れた街で、様々な人たちに出会った。
どこかの誰かに向けてモノを作っている人。
世界の誰かが作ったモノを売っている人。
そうしたモノを様々な想いを重ねて見てくれる人。
自分の歩む路の先、
何が正しくて何が外れているのかははっきりとは分からないけれど、
この路を歩んできてよかったなと思える出会いがあった。
数年前に一度だけ会って、どういう風に絵を描いているかの話をした内容を
ほぼ完璧に覚えていてくれた高校生。
数多くの名作と言われる芸術作品を見てきたであろう方が
あんたは有名にならなきゃいかん!と褒めてくれたこと。
初めて手にいれた絵が吉川龍の絵だという人。
世界で仕事をする誰かのことを守るためにモノを作っている人達の話。
言葉数は多くはないけれど、思っていることが伝わってきた人。
話はできなかったけれど、きっとそれぞれの思いで絵を見てくれた人達。
自身の行先を案じ、この10年余り小さなプライドを守るために自らに課した決まり事を
捨ててでもそういう人達に恥じない絵を描きたいと思わせてくれる出会いだった。
今のおれに休息は必要ない。
また朝から次の絵を描いている。
まだ路が続いていると思えることが嬉しい。