今年の初めころ、福岡県糸島市を訪れた。
そこで出会った景色をずっと描こうと思っていて、
今週やっと水彩画にしました。大きさはF4サイズ。
その日は冬の終わりにしては気候が良く、
ギャラリーの方の運転で海から離れ福岡市内へ向けて車を走らせていた時
窓の外に牧場が見えた。
少し通り過ぎたけれど戻ってもらいしばらく写真を撮る。
その反対側に 乗馬クラブ と看板が出ていて、また車で坂道を登って行くと
柵に囲まれた馬場があり、そのさらに上に厩舎が建っていた。
厩舎には手入れをしてもらっている馬や小屋で休んでいる馬たちがいて、
厩舎の方は急な訪問も快く受け入れてくれた。
馬に人参をあげたり、鼻先を撫でたり、澄んだ目やたてがみ、毛並みを
興味深く眺めた。
その厩舎に飼われている猫がひょこっと顔を出し、馬の世話をする
女性の後をついて行く。
この瞬間、頭の中に絵が浮かんだ。
掃除の行き届いた厩舎の、馬たちが休んでいる先に
外光が差し込み、飼い主の姿を目で追う白猫。
急いで一眼レフを構えたが、もちろんこの絵のようには写らない。
奥がこれだけ暗ければ、猫の身体の陰ももっと濃く写ってしまう。
絵にするときに写真が役に立つのはその 場面 と 形 だけなのだ。
あとは 頭の中に浮かんだ絵 をどう見せるかを慎重に作り出して
行かなければいけない。
余り描き込まず、1時間半ほどで仕上げた。
良い出来だと思う。