36x46cmくらいの水彩画を描き始めた。
場所は一昨年も友人のアテンドで訪れたパリのサン・マルタン運河の辺り。
水彩画の良いところは水と絵の具の使い方で
空気や光の感じを自由に動かせるところだ。
いろいろ思うところあって、あまり色数を使わずに進める。
なんとなく全体が見え、
画面右手の建物の感じがパリっぽさを見せてきた。
描き始めに思い描いた空気感を損なわない様に注意しながら
広がりを増していく。
運河を行く黄色の観光船が「どのガイドブックにも載ってる」
ってミーハー感を醸している。
画家の見ている事とは違うけれど、それも事実の一端なので
受け入れる様に描いてみる。
画家の見た、そこに吹いている風を思い起こし、
光の温度を少しだけあげるように色を施し、
絵が止まったのでここまでにしてサインを書き入れる。
こうして見ると、描き始めの空気感は捨てがたい。
何を見ているのか、何を描く為に筆を取ったのか。
自問自答を繰り返しながら、その答えの積み重ねが
今日も続くのである。